出会いと別れの辛さ     

頭の中で解かっていても、出会いの嬉しさと別れの辛さは誰でも味わう。
年を重ねていくうちに次を約束してはいるが果たして実行できるかを無意識
のうちに心配している。
帰郷の最後の晩にそんな話が飛び出てきた。
  「はあ 明日帰るんだもんなあ〜」
  「来る日を楽しみに数え待っていたのに。料理じゃないが作るのは大変
  だが食べるのは簡単なんだよなあ」
  「会うときは良いけど、やっぱり別れるのは辛いものがあるなあ」
  「俺なんか、数日たってから別れの辛さを思い出すよ。送られるほうより
  送るほうが辛いよな」
何時だったか、東北道を帰郷のために走っていた。ふと相手車線に一瞬目
が向いた。
  「あと5日もすれば反対車線を戻って行くんだもんなあ」と
こころの中ではまだ、帰郷していないうちにそんなこと考えてだめだと肝に
銘じているのに。

”会うは別れの始めなり”  
よく言ったものである。愛するものとの別れは辛い。逆に会いたくない人に
会わなくてはならない苦しみも事実である。
この苦しみを『愛別離苦(あいべつりく)』『怨憎会苦(おんぞうえく)』と云う。

しかしである。一歩踏み込んで考えなくてはならない。
それら苦しみに囚われているとますます悪縁悪果に陥るのではないか。
相手がいて自分がいる。自分ひとりじゃ生きてゆけない。
相手に対し、自分が勝手に決めかかっていたり、自分の都合不都合から生
まれてくるものではないか。
あなただから対処できる。あなたに仏さまが与えてくれた人生修行の試練
の場であることだと観念することではないだろうか。

しかし、辛いのである。