帰省と帰郷

テレビニュ-スでも郷里に帰ることを「帰郷」と云わずに「帰省」と云う場合が
多いようである。 
考えてみると「帰省」は”かえる かえりみる”と書くのだから、ただ単に故郷
に帰るということではない、帰って何かを省みることが必要なのかと・・。
どうでもいいと云えばそれまでだが、辞書をひいてみると「故郷に帰って親を
見舞うこと」とある。なるほど日頃、仕事に追われ郷里の親を帰りみる余裕さえ
失われている人が、久しぶりに家に帰って親を見舞い、孝養を尽くすことなのだろう。 しかし、もう少し掘り下げて考えると仏教語の中に「帰元」とか「帰真」、
「帰命」や「帰一」などと使われている。
それは仏と自らが一つになること~仏心にかえる~ つまり、「成仏」を意味して
いるようだ。
だから、「帰省」とは「帰郷」のようにただ故郷に帰るだけでないのである。
親を見舞い祖先の墓にお参りしてその足跡を省み、いま生かされている自分の
生きざまを、親や祖先のそれと照らし合わせ反省してみるという「宗教的」な
意味になると思う。

ところで、帰省の「省」の字は「はぶく」とも読むが、親や先祖をいかにして
省こうかと智慧をしぼっている?現代人も増えているのも現実。
しかし、日本古来の良い伝統、美しい風習である「帰省」のこころを無くさない
ように後世に伝えて行きたいものである。

そんな自分も年に何回か郷里に帰っている。
今月も帰る予定がある。目的があってのこととは云え単に帰郷するのではなく
帰省をしていこうと改めて考えたところである。

お彼岸もすぐそこまで来ている。ここ函館は観測史上初めての積雪91センチを
記録している。小路に入った車がそこらここらで立ち往生している。
春の訪れをみんながそれぞれに待ち望んでいる・・・・。