七佛通戒偈(しちぶつつうかいげ)

仏教の教えの中に、七佛通戒偈というのがあります。
     『諸悪莫作(しょあくまくさ) 衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)
      自浄其意(じじょうごい) 是諸仏教(ぜしょぶっきょう)』

これは、どんなことにおいても悪い事は行わず、すべてに善い事を実践し
己のこころを自ら浄くするように努めなさい これば諸仏のみ教えである
という意味です。
中でも『衆善奉行』の衆善とは善い行いをするということであります。
奉行とはそれを実行することをいいます。一言でいうと、人でも物でも、すべてのものに
身を以って恵みを与えるという布施のこころを言います。
ある東南アジアの観光地で手作りの珍しい木工製品を観光客が買おうとしてら、添乗員が
「品物にはすべて掛け値がしてあるので交渉したら安くなりますよ」と口添えしました。
観光客はすがさず「安かろうが高かろうが、お店の人が生活するための値段だから、そんなの
関係ない!」一喝したそうです。 なんと素晴らしいこころの持ち主でしょう。
相手を労い、相手の立場を思いやるこのこころこそが、まさに衆善奉行なんですね。

世は品物が豊富になりすぎ、真心を以って相手に接することが無くなりました。
増え続けるゴミの量を問わず、使うことのできる物までが捨てられるようになりました。
物の豊かさの中で起こる、貪欲や怒りや愚痴の生活になんの幸せがありましょうか。
こころの濁りを取り除き、美しい心、楽しい生きがいを取り戻さなくてはなりません。

衆善奉行を身を以って実践するところに、真の幸せ、人とともに生きられる道が開けてくると
信じます。