心無罣礙(しんむけいげ)

般若心経にでてくる一節です。
「こころにけいげなし」、すなわち、”こだわり””とらわれないこころ”という意味です。
簡単に云うならば仏教における”エキス”とでも申しましょうか・・。

白隠禅師と云う方は「坐禅和讃」の中で、「佛」と「凡夫」の違いを「水」と「氷」に譬えて
示されていますが、私たち「凡夫」の迷い悩みの原因は「氷」のように硬くて冷たい、
融通性のない「こだわり」のこころにある訳で、これをとかして温かい「水」にすれば「佛」に
なれるというのがその教えだと説いています。

今は亡き松下電器の創設者:松下幸之助翁は、生前「わたしの経営」という随想文の中で
「とらわれない心」を次のように書いておられます。
「人が死んで行くから新しい赤坊が生まれ育っていくことになる。死ななんだら人間が困ります。
不景気も病気も、失敗も死も。生々発展の姿だ。何が起こっても、生々発展の一コマと思ったら
恐れるものはない。
こういう見方からすれば、憎いけしからんと思うたのもそうでなくなる。敵と思っていたものも味方
になる。それはとらわれないということだ。何事もこだわったらいかん、素直にあるがままに物事
を見るということだ。  鳴かずんば、それも又よしホトトギスちゅうことですな」・・

人生の達人の最高の言葉ではありませんか?
今年も残すところ、ひと月。”生々発展の一コマ”と思って乗り越えましょう。
来る年が良き方向に向かうように・・・・・・。    お疲れさまでした。        智恩寺山主