お盆を終えて。

先月、先々月とお盆を終えて今月はもう秋のお彼岸である。
先月、棚経に神奈川県のとあるお宅にお伺いした。
30年来のお付き合いをさせていただいている。
今年5月、癌と闘いながら看護士の仕事を続け42歳の生涯を閉じた愛娘。
4年前に奥様から「○○は余命幾幕もない」と聞かされたのを今でも思い出す。
解っているとは云え、人は必ず別れなければならない。残された人たちは
そのたびに悲しみを背負って生きていかなくてはならない。
しかし、亡くなられた○○ちゃんは身体の苦しみや痛みから解放されて、
またあらゆる束縛から自由になる。
亡くなられた○○ちゃんのことを思い出すとき、その人の優しく温かいシ-ン
ばかりが思い出される。
生前は口げんかもあったし、いやになったこともあっただろう。しかし、あの時は
こんなふうに笑い、こんな冗談を言っていた。 こんな優しいことをしてくれた。

仏教詩人 相田みつをさんの詩「肥料」という作品がある。
 ”あのとき あの苦しみも
         みんな肥料になったんだなあ 自分が自分になるための”

人の世に不幸や災難はよくあるが、そこから何かを得る場合がある。
このたびの悲しみも、それによって何か大事なことを気づくことがあれば○○さんも
きっと喜んで下さるはずです。

お勤め中、ずっと鼻をすすり泣き殺していたご主人に贈ります。
                          南無 利順院愛香里心大姉 菩提。