寺田寅彦というお方

「天災は忘れた頃にやってくる」という格言は誰でもご存知かと思います。
でもこの言葉を吐いた人はと云うと判らない人が多いのではないでしょうか。
私もその人が、寺田寅彦という実験物理学者でもあり文筆家である人だとは最近まで
知りませんでした。
なぜ節分の月に寺田寅彦か?  それは・・・

「猫が庭へ出て用を便じようとしてまず前脚で土を引っかき小さな穴を掘り起こして、
そこへしゃがんで体の後端部をあてがう。しかしうまく用を便ぜられないと、また少し進んで
別のところへ第二の穴を掘って更に第二の試みをする。それでもいけないと更に第三、第四と
、結局目的を達するまでこの試みをつづけるのである。工合の悪いのが自分の体のせいでなくて
地面の不適当なせいだと思うらしい」
『猫の穴掘り』という書物のなかでそう記されています。

どうでもいいことですが、そこに寺田寅彦と云う人は体ごと巡らすのです。
「どこへ住居を定め、あるいは就職しても何となく面白くゆかないで、次から次へと転宅
あるいは転職する人のうちには、この猫のようなのもあるいはあるかもしれない」と続いて
います。 猫を観察することによって”人間”を見ようとする姿勢であり、感性なのです。
日頃の鬱憤、体の変調、人付き合い、社会への不満へと追求の根は広がっていくようです。

猫には悪いが、たかが猫されど猫です。
姿勢を正して、四方八方からよく見てみるといろんなことが見えてくるかもしれません。
幸いにして節を分け、四季を感じる立春・立夏・立秋・立冬を翌日に迎える訳ですから。
まずは二月三日の節分から。
上手く穴掘りをしましょう。他人のせいにしないで。