七五三(なごみ)の効用

ここ函館は、10月15日が七五三詣りの日。全国的には11月15日であるが、
昔から1か月早い。我が子を着飾り、神社仏閣にお詣りに行く伝統的な人生の行事である。

さて、子どものころ、歯医者さんがあまり好きではなかった。
(歯医者さんのお父さん、ごめんなさい)あの、ウイーンという音、麻酔の注射、恐ろしくて、
少々の虫歯ならがまんしよう、そう思っているうちにどんどんひどくなったものでした。
お陰?でまともな歯は前上歯の6本と前下歯の7本くらいだろうか。
今になってもあの麻酔の「チクッ」という瞬間だけは緊張する。
でもそれなしでの治療を想像すると本当に麻酔はありがたいものである。
しかし、治療後の麻酔のかかった口中がいやである。

あるとき、こんなことばを聞いたことがあります。
「人に動いてもらうには、まずよいところを褒めること。それから悪かったところを具体的に
言ってあげるようにしなさい」 そうでないと、非難ばかりになって、相手は本当に「やろう」
という気をおこさないそうです。  
ご主人のために「今日はこった晩ごはんを」と張りきって作った料理、それを口にしてひとこと
「なんだこれ?」  これでは二度と作る気が起きませんよね。
せめて、「すごいね、こんな料理はじめてやね。難しかったやろ?」ぐらい言ってほしいものです。
髪型をかえたとき、ちょっと時間をかけてお化粧をしたときも、「おお~いいじゃないか」
ぐらい言ってほしいよね。それから「こうしたほうがいいんじゃない?」と言われると
「そうかな」と素直に聞けもするというのです。

考えてみると、「褒めことば」というのは歯を抜く前の「麻酔」のようなものかもしれない。
麻酔なしで歯を抜いたり、神経にさわるなんて考えただけでぞっとする。
子どもを叱る前に、まず「ことばの麻酔」をかけておく。そう考えると褒めることの意味が
さらにわかりやすくなるかもしれない。いまからでも遅くはない。
乳幼児の死亡率が高かった昔は7歳までの子供は神の子とされ、7歳になって初めて
社会の一員として認められたようである。

そんな七五三の行事は3歳の男女とも「髪置き:髪をのばしはじめる」、5歳男子「袴着
(はかまぎ):はじめてはかまをつける」 7歳の女子「帯解き:帯をつかいはじめる」の
お祝いで、明治時代になって現代の七五三として定着したことはご承知のことですが、
褒めて褒めて褒め抜いて節目を大切にしながら生きる喜びに感謝して、将来のしあわせと
無事を祈る。 そんな褒め言葉が母子共々、和み(七五三)を生む。
虫歯の麻酔もこんな効用があるのかなとふと思った。

大切にしたい七五三の行事である。
語呂あわせのようだが的を得ていると思うが・・・