この一曲が人生を変えた

世の中、さまざまなジャンルの曲が溢れている。
ポップス、ロック、テクノ、ダンス、ワ-ルド、インストなど・・そしてその中身を辿るとなにが
なんだかわからない。

クラシック、歌謡曲、演歌、民謡、童謡、フォ-クとかの分類でしかよく把握できない。
しかし、時としてその一曲が物体や動植物にも影響を与えている。

江本 勝氏が出版した『水からの伝言』という一冊がある。氏は波動測定器・MRAやマイクロ
クラスター水(波動水)に出会い、水を凍らせて結晶を見る技術を考案し、世界各国で翻訳され
出版されているほどの水研究の第一人者である。
水に音楽を聞かせるという実験では、二つの透明なカラス瓶に同じ水をいれ、一方にはクラシック音楽、
他方には若者に人気のヘビ-メタル曲を聞かせる。そしてそれらの結晶を比べるのである。
クラシックを聞かせた水は、穏やかで美しい水の結晶となり、ヘビ-メタルの曲を聞かせた水は、
水本来の持つ六角形の結晶がバラバラに壊れ、混沌とした状態になったようである。

そして時として人生の節目にたまたま出会った曲が行く道を変えてしまうことがある。
小学校五年生の時に祖母が亡くなった。担任の先生から、お婆ちゃんが亡くなったから早退を云われ
急いで帰った。まだ、家にはお婆ちゃんは病院から戻っていなかった。
子供ながらに不安ととめどない恐怖が襲ってきたのだった。
耳から突然、入ってきた曲があった。
♪あなたに抱かれたわたしは蝶になる~♪ このフレ-ズだった。
歌手:森山加代子の歌う曲だった。小学生の子供が聞くには大人びていた。
「ああ~ お婆ちゃんは ちょうちょになったんだ~(もういなくなるんだ~)」 
それが不安であり、恐怖だった。 人が亡くなるということが・・・。
今思えば、そのことが僧侶としての道を開いた一曲だったのかもしれない。

先月、お山(永平寺)から一年七か月ぶりに六日間のお暇を頂き我が家に戻ってきた息子。
見るからにお坊さんらしくなったと思った。合せるように二番目の息子が東京から帰ってきた。
まるでお盆と正月とお彼岸が一度にやってきたようだった。
そんな息子と最後の晩餐を近くのもんじゃ焼きで家内と三人で食した。
楽しく腹いっぱいもんじゃ焼きを食べていると息子が口を開いた。
「おれが度胸を決めたのは、お山に行く途中に泊まったホテルで歌ってくれたお父さんの
”上を向いて歩こう”だったんだ。 それを聞いた瞬間になにか溜まっていたものが吹っ切れたって
感じがしたんだ。音楽ってこころを動かすんだよね。ホントに。」と。
たまたま、修行に入る息子にこの先を案じて応援歌として歌った一曲だったのに・・・・・
そんな風に受け止めてくれていたことに頭が下がった。
                   「お父さん、ありがとう!」と話を結んでくれた。

翌朝、空港から第1便でお山に戻って行った。