母上、81歳。

昭和4年6月の今日、母親は生まれた。
農家の出身であり、生粋の原住民(白浜町)?である。農耕に従事していたころは
誰にも負けないくらいよく働き、兄弟の面倒も見、家計の一端を担っていたそうである。
縁あってお寺に嫁ぎ、私ら4人を産んでくれた。
師匠であり父親の威厳は莫大な中、なれないお寺のお嫁さんとしてお婆さんに仕えて
お寺を陰ながら支えていたようである。鉛筆1本、消しゴム1個買うにしても父の許可なく
してはお金が貰えず、こころは咎めたが何度か嘘ついて貰ったこともある。
そんな母は私が中学の後半から病魔に侵され、高校時代は弁当は自分で作らなければ
ならなかった。いまも病弱な身ではあるがなんとか頑張っている。
そんな母は今日81歳の誕生日を迎えた。

親が子を子が親を殺すような現代に遭っては今一度考えなおすべくお経がある。
「父母恩重経」というお経には父母の十種の恩徳が詠まれている。
その7番目に”嚥苦吐甘の恩(えんくとかんのおん)”=苦しいものや不味いものは父母が
食べて、甘くておいしいものを子どもに与える 
だれかだったか忘れてしまったが随筆に、小さな子がお母さんに「請求書」を出すという
話である。

【お母さんへ】
1、お使い賃 100円 2、妹のお守り賃 150円 3、お留守番代 200円  
                                     計450円   子どもから
請求書を貰ったお母さんも黙ってはいません。
「じゃ!お母さんからあなたへ請求書を出します。あなたもお母さんに払ってちょうだいね!」
【お母さんからあなたへ】
1、あなたのお守り代 0円 2、あなたの看護代 0円 3、あなたの生活費 0円
                                      計  0円
お母さんへの請求書は金額で表せても、母から子どもへの請求書は0円です。
つまり母の請求書は無償、ただです。それは父もまた同じです。と・・・
故松原泰道老師はこの「嚥苦吐甘の恩」を次のように謳いあげます。
 苦しい働きを進んでつとめ 楽な仕事を子にゆずる 報恩を求めず黙々と
 無償の行を積みつつ 老いてゆく父・母

いつかは御隠れしなければならないとは云え、誕生日を祝すとともに今一度父母に
感謝申し上げます。
お陰様で51年目の道を歩ませていただいております。