師匠、82歳。

茨城県真壁郡明野町(現筑西市)に生を享け今日で82歳になる我が父。
保育園創立2代目園長として社会福祉(幼児教育)の観点から叙勲の 栄を
10年ほど前に頂いた。子どもの頃の父親像は”頑固、まじめ”でも般若湯と
称してお酒を嗜むとまた違った面が現れ面白い。映画おくり びとの主演、
本木雅弘さんが同じく主演された「ファンシ-ダンス」に出演した父親で
住職を想像してしまう。
そんな師匠:父である が不思議なことに変わった趣味があった。
いまどうなったのかわからないが、箸袋を集める趣味である。
仕事で旅行等が多かった父の事、なに か趣味でもと思ったら
しい。それが箸袋である。考え付かないことをするようである。
先代住職の弟子としてお寺にきて修行の延長のような生 活だっ
たようであった時代を乗り越え先代から保育園を引き継ぎ、
順調に船出したかに思えた矢先、園児数が急転直下一ケタの
人員に なったそうな。しかし、山の如く動ぜずこう思ったそう
である。「たとえ園児が一人になっても続ける!誰のための
保育園(福祉事業)なの か!」と。頑張った甲斐あって私が
入園していた頃には200名を超す一大保育園化した。
現建物も一部改築してはあるがまさしくイモ洗い状 態での
保育だったのだろう。

利他すなわち自他なり(菜根譚)
人を利するは実に己を利するの根基なり・・
人に利益 を与えることがかえって、本当は自分を利する
ことになるのだが、これがなかなかわからないのである。
世の中もちつもたれつ、父の浄行に頭 の下がる思いである。
それはまた般若湯から生まれたであろう数々の智慧、
カラオケと箸袋収集とお檀家さん。
それぞれに82年の重 みがある。