命てんでんこ

悪夢の大震災後のテレビ放映にわが心が激震しました。
岩手県宮古市に住む田畑ヨシ(85歳)さんが出演されていました。そのヨシおばあちゃんは
78年前の三陸沖地震でも被災されて、ヨシおばあちゃんのお母さんとお兄さんを亡くされました。
『命てんでんこ』の教えを、継承する為に子供たちに津波の恐ろしさを紙芝居にして伝えて
来たそうです。             その教えとは・・・・・・・・
「震災で親が死んでも、兄弟が逃げ遅れて倒れても、振り返らずにとにかく逃げろ!
自分の命は自分で守れ!」
…という願いでした。

お釈迦様の教えにもその教訓が生かされていたことを思い出しました。

お釈迦さまがご往生をむかえられた時のこと。お弟子たちは、お釈迦さまが亡くなられたら、
さてあとは誰をたよりにしたらよいかと心配しました。 そのことを気づかれたお釈迦さまは
「自らを灯明とし、自らをたよりとして他をたよりとせず、法を灯明とし、法をたよりとして
他のものをたよりとせず生き よ」(涅槃経)と語られました。
世に伝わる「自灯明、法灯明(じとうみょう ほうとうみょう)」の教えです。
とかく私たちは、人の言ったことに左右されがちです。とくに権威ある人の言葉に追随しがちです。
その方が安易だからです。しかし、結局、「信用して いたのにだまされた」ということがしばしばです。
人間が人間を信じるということは危険をともなうことなのです。だから、人の言葉を鵜呑みにする
のではな く、何が正しいかを見定めることのできる自分を確立せよということを、「自らを灯明とせよ」
と教えられました。
それでは、私たちは何を根拠に正しいと判断すればよいのでしょうか。
それを「法を灯明とせよ」と教えられたのです。法とは、物ごとの本当のあり方の ことです。
たとえば、すべてのものは変化し、永久に続くものではありません。この事実が無常という真理。
この疑いようのない真理を法といいます。

このことは誰でも認める真理ですが、この明白な事実でも、自分自身のこととなると素直に認めよう
とはしません。他人は死んでも自分はいつまでも元気 でいると思っています。これが迷いなのです。
自分jだけは例外だと無意識に思いこんでる誤りに気づき、迷いから抜け出すには、この法に根拠を
おき、法に教 えられ、自分自身が目覚めるよりほかに道はないのです。そこを「自灯明、法灯明」と
教えられました。

今回の大震災であらためて考えさせられました。